
今回は、2024年11月22日に発表された「IT導入補助金2024」の最終公募結果について詳しくお届けします。今年最後の公募でありながら、採択率の低さに驚かれた方も多いのではないでしょうか。結果や背景、そして次年度への準備について解説していきます。
最終公募の採択結果
事務局の公式発表によれば、今回の最終公募では以下の結果となりました。
- 通常枠: 申請件数:5,573件、採択件数:1,454件、採択率:約26%
- インボイス対応類型: 申請件数:11,714件、採択件数:1,245件、採択率:約11%
例年に比べ非常に厳しい結果となり、特にインボイス対応類型での採択率が大幅に低下しました。
採択率低下の背景
今回の採択率低下には、いくつかの背景がありました。特に注目すべき点は以下の通りです。
- 予算の制約: 最終公募では、令和6年度当初予算を活用して実施されました。しかし、この予算は限られた規模であったため、採択できる件数が制限されました。
- 申請件数の増加: 年々、IT導入補助金の認知度が高まっており、多くの事業者が申請を行いました。今回はその影響で競争率がさらに激化しました。
- 採択基準の変更: 限られた予算を効率的に使うため、金額の大きい申請が除外されるなど、採択基準に調整が行われた可能性があります。
過去の採択率との比較
IT導入補助金2024の過去の採択率は、通常枠は約75%、インボイス対応類型は約94%といずれも高い水準を維持していました。特に、インボイス対応類型は9割以上の採択率が当たり前でした。
今回の最終公募では、採択率が26%(通常枠)、11%(インボイス対応類型)と急激に低下しています。これは、過去に例を見ない厳しい結果といえるでしょう。
なぜ、低い採択率となったのか?
今回の低い採択率の原因として、以下の点が挙げられます。
- 予算規模の縮小: 通常、補正予算を使う公募に比べ、今回のような当初予算では予算規模が小さくなる傾向があります。
- 申請件数の急増: 公募終了間際の駆け込み申請も多く、競争率が例年以上に高まりました。
- 選定基準の調整: 同一事業者が通常枠とインボイス対応類型の両方で申請した場合、一方のみが採択されるケースが多く見られました。
- 経済政策全体の影響: 政府が他の経済対策に重点を置いた結果、IT導入補助金に割り当てられる予算が限定的となったことも影響したと考えられます。
不採択となった方々へ
今回、不採択となり落胆された事業者の方も多いことでしょう。しかし、今回の最終公募は特殊なケースであり、通常の公募と比較することは難しい状況です。来年度は例年通りの予算規模が確保されると期待されています。
事業計画を再検討し、申請書のブラッシュアップを行うことで、次回の採択可能性を高めることができます。引き続き支援制度を活用し、事業成長のための準備を進めていきましょう。
次年度への期待と準備
現在、次年度の補正予算案が閣議決定されており、国会での承認を待つ段階です。この補正予算には、IT導入補助金を含むさまざまな経済対策が盛り込まれています。早期に承認が下りれば、次年度の公募がスムーズに進むことが期待されます。
事業者の皆さまは、次回公募に向けた準備を今から進めることが重要です。特に、以下の点を押さえておきましょう。
- IT導入補助金の公募要項を定期的に確認する
- 必要なパートナー(IT導入支援事業者など)との連携を強化する
まとめ
IT導入補助金2024の最終公募は、例年にない厳しい競争と低い採択率で幕を閉じました。しかし、IT導入補助金は中小企業のDX推進を支える重要な支援策です。今回の結果にめげず、次年度のチャンスをしっかり活用しましょう。
最新情報を引き続きお届けしてまいりますので、ぜひ当ブログをチェックしてください。それでは、次回の記事でお会いしましょう!